広木大地『エンジニアリング組織論への招待』を読んだ
これまた,オススメドリブンで読んだ本です.
エンジニアが書いた本らしく,仕事術,組織管理の本であるにも関わらず,数式がそこそこ出てきます.
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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開発現場における不確実性について,焦点を当てられています.
コミュニケーションや開発プロセスによって,発生してしまう多くの不確実性に対してどのようにアプローチしていくか多くのことが学べる本です.
それぞれの問題を詳しく解説して,どのように不確実性が発生し,それはどのように収束していくのかがわかります.
また,その解決策として,様々な開発手法が紹介されています. 特に,アジャイル開発については,その本質までわかりやすく説明されていました.
さらに,OKRのような新しい手法も紹介されおり,満足のいく内容でした.
個人的に気に入ったところは,38ページの「プロフェッショナルの仕事」の部分です.
プロは短い時間で一定のクオリティまで上げて,残りの時間でクオリティを作り込んでいきますが,アマチュアは,残り時間が短くなってから,急速にできあがってくるといわれることがあります.
このことは,不確実性の高いものから取り掛かるか,確実なものから取り掛かるかの性質の違いを言い表しているともいえます.仕事の最初期に,不確実なものを確実に仕上げていくと,全体像が早い段階で見えてきます.それに対して,確実なものから仕上げていくと,全体像がなかなか見えず,最終工程でようやく完成形が見えるようになります.